新しい皮革製品を買って、色が落ちたという様な経験をお持ちの方が多いと思います。良い革ほど、色は落ちやすいのです。逆の言い方をすれば完全に色止めをした場合には、革の良さが失われてしまうのです。
出来る限り、感触の良いナチュラルな感じを出した革をつくろうとすると色が落ちやすくなり、又色が絶対に落ちないような作り方をすると、良い革が出来ないという矛盾点がある訳です。尚、革の表面キズの問題にしても同じで、キズを隠そうとすると着色が厚くなり、革本来の感触が失われてしまいます。
革をつくる側は、色落ちに注意しながらより良い品質の革をつくるべく努力をする事はいうまでもありませんが、同時に皮革製品を使用するお客様にも革の特性を知っていただく必要があると思います。色落ちをさけるために、いくつかの注意点をあげてみます。
![]() |
雨にぬれた場合 素早く乾布やティッシュペーパー等で、押えるようにして水気を吸い取ります。そのままにしておくと、シミになったり色落ちしたり、また保存中にカビが生じたりします。その後清潔なガーゼ、あるいは柔らかい布で丁寧に軽く磨き上げ、風通しの良いところで陰干しします。直射日光は避けます。 |
![]() |
カビが生じた場合 革の表面をブラシ、又は布でこすってホコリを取ると一緒に取れます。カビは一度生じると根が深くなり取りづらくなりますので、早期の手入れが必要です。 |
![]() |
ホコリのついた場合 ホコリは軟毛のブラシ又は、やわらかい布で拭くか、竹の棒で軽く叩きます。スエードやヌバックはブラシがけで良い。銀付子牛は引っ掻きに弱いので軟らかい布で拭きます。 |